紹介：願わくばこの手に幸福を

Overview

書籍化、漫画化された作品。漫画の出来はAmazonで100件以上のレビューが付き、一，二巻共に評価4.5前後と非常に好評だった。ぶっちゃけ漫画で100件以上レビューが付いて、4.6評価は最高クラスの評価といっても過言じゃない。にもかかわらず、合計二巻で打ち切りとなってしまい、かなり勿体なかった。漫画の出来が良いので、とりあえず漫画を読んでみるのも有りな作品。ちなみに原作の3章までが漫画化されていて、現在も更新中の原作は18章まである。

あらすじ

 1救世の旅に同行を続けるルーギス。
 2その中で彼の役割は、雑用や夜番。
 3女達からは疎まれ、冷たい視線を与えられる日々。
 4
 5だが幼馴染のアリュエノの存在だけが、彼をパーティに繋ぎ止めていた。
 6例え、彼女が救世者と呼ばれる男に心奪われていたとしても。
 7
 8失意と惰性の日々。
 9そんな中に訪れた影は告げる。
10
11「貴様に機会を与えてやろう。全てを塗りつぶし、人生という絵画を描き直す機会を！」

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評価

内容

救世主パーティーで雑用係の主人公。主人公と救世主以外は女で、幼馴染も含め女全員が救世主に心酔していた。幼馴染は不明だが他は救世主と肉体関係もあり、主人公には時に暴力を伴う粗雑な扱いをしていた。

そんな主人公がひょんなことから数年前の救世主パーティー結成前にタイムリープする。 そこから主人公は未来を覆し、幼馴染と結ばれることを目指し、幸福を掴み取るため生きていく。

タイムリープ前には主人公を粗雑に扱っていたヒロインたちと、以前とは違う形で関わることで救世主ではなく、主人公に好意を向けてくるようになる。しかし好意といっても毒牙といって過言でない愛情表現で、その在り方はヒロイン自身だけでなく、主人公の肉体を変容させることまである。またヒロインはそれぞれ違う陣営にいるため、主人公を自分の陣営に抱え込むために画策する。

しかしながら主人公の好意は幼馴染だけに向いており、タイムリープ前が無意識的に関係するのか、他のヒロインに好意はあまり向いていない。その肝心の幼馴染は敵陣営におり、更に主人公にとって最終ボスのような相手の依代であるため、近づくことすらできない。徐々に幼馴染の精神性は変化しており、いつの間にか幼馴染の主人公への好意すらも毒牙と化している…。

主人公が諸問題を解決して幼馴染と結ばれるのが先か、幼馴染を含めたヒロイン誰かの毒牙にかかるのが先か、世界の命運を掛けた大戦中にチキンレースが始まる。これはタイムリープ前では救世主パーティーの荷物持ちだった小悪党の主人公が、立身出世しながらヒロイン毒牙チキンレースを駆け抜ける物語である。

感想

この作品の魅力は2つあって、1つ目は世界を滅ぼす巨悪を倒すために成長して立身出世していく小悪党な主人公が活躍する様。

2つ目は一癖も二癖もあるヒロイン達が打算や画策をし、時には自他の肉体を変容させてまで主人公を手に入れようと毒牙に掛けていく様にある。 特に後者は不可逆的な肉体の変容の施行、幼馴染の悪役化など混迷を極めているので、どう結末を持っていくか予想がつかなくて楽しみである。

その一方、後半につれて登場人物が増えて戦闘数も増加するため、もう少し戦闘数を減らして物語を進行してほしいと思ってしまう。