感想:ノームの終わりなき洞穴 シリーズ

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Overview

現在のところノームの終わりなき洞窟シリーズは全2作品となっており、「ノームの終わりなき洞穴【Web版】」は前日譚で、本編は「ノームの終わりなき道程」という扱い。

前日譚でも文量はかなりある。またハッピーエンドとは言えない終わり方をする。前日譚を踏まえ、本編ではハッピーエンドを目指していく構成となっている。

現在の時点で本編は更新中で未完結であり、ちょうどこれから盛り上がる場面なので、シリーズとしての最終的な評価は保留としている。

あらすじ

ノームの終わりなき洞穴【Web版】

1地の精霊が作ったと噂される世界屈指の巨大洞窟。
2その最奥を見た者は未だおらず、今なお洞窟は複雑に延び続けている。
3採掘される宝石を狙って命知らずの冒険者達が挑み続けるダンジョン。
4その実情は、たった一人の錬金術士と意地汚い精霊によって、やむにやまれぬ理由から作られていた。

ノームの終わりなき道程

1秘境『宝石の丘』へと到達し、巨万の財を手にした成り上がり錬金術士のクレストフ。
2富と名声を手にしてなお満たされない強欲を抱え、彼は幸福を追い求める。
3己にとっての幸が、どのようなものであるかも知らぬまま

ノームの終わりなき洞穴 シリーズ

1悪徳錬金術士クレストフの活躍する勘違い系ダンジョン運営ファンタジー。
2 ノームの終わりなき洞穴ではダンジョン作成から秘境探検、そして『宝石の丘』攻略までの物語。
3盗賊、冒険者、騎士、自称勇者まで、開発中の鉱山に乗り込んでくる喜劇と悲劇の群像劇。
4 続編・ノームの終わりなき道程では、成り上がり錬金術師のクレストフが真の幸福を求めて各地を探検。
5打ち捨ててきた過去と向き合い、己の幸福を取り戻すために真のダンジョン・魔窟へと挑む物語となっています。
6 (2019.4.30 『ノームの終わりなき洞穴』書籍化)

作者の自己紹介コメント

1主に中高生向けのサイエンスフィクションを書いています。
2小難しい理屈や専門的な表現はなるべく避けて、科学に苦手意識を持っている学生がストレスなく読み進めながら、エンターテインメントとして科学の世界を楽しんで頂けるような作品を目指しています。

感想

ノームの終わりなき洞穴【Web版】

ノームの終わりなき洞穴【Web版】では、巨額の富を得られる伝説の場所「宝石の丘」を目指し、洞窟を掘ることから始まる。採掘中に有益な鉱石が手に入る洞窟であったが、洞窟の存在を知った様々な人間が洞窟に侵入してくることとなる。彼らを撃退するため、隷属や召喚したモンスターを用いて、時には主人公自身も行動して撃退していく。隷属や召喚したモンスターによる侵入者の撃退は単調な話にも関わらず、全体の半分近くの話数を割いている。読み慣れている人にはかなり苦痛。

残りの話は洞窟と宝石の丘の間にある秘境を探索するため、人々を勧誘して共に艱難辛苦の道のりを進んでゆく話。続編のノームの終わりなき道程の作品紹介や冒頭を読むだけでわかるが、主人公は巨額の富を得た反面、他の同行者が誰も帰らぬ人となってしまい闇を抱えることとなる。つまりノームの終わりなき洞穴だけではハッピーエンドにならない。続編が主人公が幸福を求める物語となる。

ノームの終わりなき道程

ノームの終わりなき道程の第1章は新メインヒロインとの出会い。第2章は秘境探索で失った人たちの遺族との禍根精算。第3章は学園教師(仲間集め)編。第4章はダンジョン踏破。第5章の序盤も同様だが、現在連載中である。第4章はなろうに良くあるダンジョンモノで第3章もかなり似通っている。前作のモンスターで洞窟への侵入者を撃退する話も含め、この作品の魅力を損なっているテンプレ展開要素となっている。

ノームの終わりなきシリーズ

このシリーズの見どころは、主人公の再生と幸福の探求だ。同行者達を失いながらも艱難辛苦の果てに巨額の富を得る主人公がその代償に闇を抱えてしまう。

主人公は唯一の生き残りで親密だった少女ビーチェを秘境に置き去りにしてしまった事を悔やむ。

悔やむものの救助のための行動を何も起こせなかった主人公だが、様々な出来事を経て再起して奮起する。そしてビーチェの救出に向かうことにする。戦闘ではなくその部分に注力していればとても魅力的なシリーズとなった。

しかしテンプレ的なモンスターで侵入者の撃退したり、ゴブリンやその上位種が出現する話を筆頭としたダンジョン探索部分と戦闘に力を割きすぎた。そのせいで魅力部分の描写が足らず、魅力が希釈されてしまった。テンプレ部分はなろう小説を読み慣れていない人には良いかもしれないが、読み慣れている私には戦闘の多さも含めてかなり苦痛だった。